こんにちは。猫に飼われている人間、ミライです。
猫と暮らしていると、防災の考え方が少し変わります。人間だけなら「いざとなったら避難所へ」という選択もできます。でも、猫にとって住み慣れた家を離れることは、想像以上に大きなストレス。知らない場所、知らない音、知らないにおい——それだけで体調を崩してしまう子もいます。
我が家でも、防災を考えるときは「まず自宅避難」を基本にしています。今回は、防災士として、そして猫に飼われている人間として、私が実際に備えている内容をご紹介します。完璧じゃなくて大丈夫。今日から少しずつ始められることばかりです。
猫にとって「避難」は大きなストレス
猫は「縄張り」で暮らす動物です。犬のように人について移動するより、慣れた環境にいることで安心する習性があります。だからこそ、災害時に避難所のような知らない場所へ連れて行くと、強い不安を感じてしまいます。
避難所では、ほかの動物や人の気配、物音が絶えません。ケージから出せない時間も長くなりがちで、トイレもごはんも、いつも通りにはいきません。鳴き続けてしまったり、ごはんも水も口にしなくなったり……。
もちろん、命に関わる状況では迷わず避難が最優先です。ただ、それ以外の場面では「住み慣れた家で過ごせる」ことが、猫にとって何よりの安心になります。だから私は、自宅避難を基本に考えています。
それでも、すぐに避難できる準備はしておく
自宅避難が基本とはいえ、「いつでも避難できる準備」は欠かせません。その要になるのが、キャリーケージです。
我が家では、お出かけ用のキャリーケージを普段からリビングに置きっぱなしにしています。災害時にあわてて入れようとしても、猫は嫌がって逃げてしまうもの。だから、
- 普段から見慣れている
- 自由に出入りできる
という状態にしておくのがコツです。おかげでうちの子は、普段は違和感なくケージの中でくつろいでいます。
……ところが、病院で注射の日だけは話が別。なぜか朝から雰囲気を察知して、私がキャリーを手にした瞬間、ふっと姿を消すのです。あの鋭い勘を、ぜひ防災にも活かしてほしいものです。
猫砂は多めに備蓄しておく
災害時に意外と困るのが、猫砂です。
猫砂は重くてかさばるので、災害のあとに「買いに行こう」と思っても、お店に在庫がなかったり、そもそも外出が難しかったりします。だから我が家では、いつもより少し多めに、ケースでまとめ買いするようにしています。
特別なことはしていません。使ったら、なくなる前に少し多めに買い足しておく。それだけで、いざというときの安心感がぐっと変わります。
それに、猫砂は水分をしっかり吸ってくれるので、いざというときには人間用の簡易トイレとしても使えます。断水でトイレが流せないときなど、猫のためだけでなく、私たちの備えとしても心強い存在なんです。
フードも「いつものごはん」を備蓄する
猫はとてもグルメで、急なフードの変更が苦手な子が多いです。
「非常時だから」と普段と違う商品に切り替えると、食べてくれなかったり、お腹を壊してしまったりすることも。だから備蓄するのは、あくまで“いつものごはん”。
- 普段食べているフード
- 大好きなおやつ
を少し多めに備えています。おやつは、不安なときの気持ちを落ち着かせてくれるお守りにもなります。
防災士が実践する在宅避難の備え

避難所へ行くことだけが、防災の正解ではありません。
避難指示が出る理由は、河川の氾濫、土砂災害、火災などさまざま。たとえばマンションの上層階など、浸水の心配がない場所では、自宅にとどまる「在宅避難」や、上の階へ移動する「垂直避難」が有効なケースもあります。猫がいる家庭なら、この選択肢を“あらかじめ”考えておくことがとても大切です。
在宅避難で最も困るのはトイレ
そのうえで、在宅避難でいちばん困るのがトイレです。断水や下水道の使用停止が起きる可能性に備えて、簡易トイレ・使い捨てトイレを備蓄しています。
スマホの充電を切らさない備え
情報収集や家族との連絡に欠かせないスマホは、まさに命綱。災害時に充電を切らさないことが何より大切です。だからこそ電源まわりはしっかり備えます。
- モバイルバッテリー
- 充電ケーブル
- 専用ライト
は常に持ち歩き、さらに予備も家に備蓄しています。写真は、私が実際に使っている道具たちです。
モバイルバッテリーは、コンセントのプラグと一体になったタイプが便利です。バッテリーの充電が切れてしまっても、電気さえ来ていればそのまま充電器として使えるからです。一台で二役こなしてくれるので、荷物も減らせます。
ポイントは、スマホのライトをなるべく使わず、専用ライトを使うこと。スマホのバッテリーを、情報収集や連絡のために温存できます。
そのライトは、ケース自体にバッテリーを内蔵したものを使っています。本体のバッテリーに加えてケース側にも電力をためておけるので、長時間使えるのが頼もしいところです。停電が長引いても、灯りを切らさずに過ごせます。
猫を守るために、飼い主の「食」と「体調」も整える
在宅避難の準備とあわせて、もう一つ大切にしているのが、飼い主である私自身の食事と体調の備えです。
当たり前のようですが、飼い主が倒れてしまうと、猫のお世話をする人がいなくなってしまいます。猫を守るためにも、まずは自分が元気でいること。
食べ物と水はローリングストックで
飲料水やレトルト食品は、普段から少し多めに買っておき、食べたら買い足す——いわゆるローリングストックで回しています。特別な非常食をそろえなくても、いつもの食事の延長で備えられるのがいいところです。
- 飲料水
- レトルト食品
体調不良への備えも忘れずに
防災とは、つまり「リスクに備えること」。それは災害だけでなく、自分の体調不良への備えでもあります。災害時は病院も混み合いますから、「数日は自分でなんとかできる」状態を意識しておくと安心です。
- 常備薬
- 栄養ドリンク
- 清涼飲料水
これらはドラッグストアのセールのときにまとめ買いして、無理なく、おトクに備えるようにしています。
まとめ ― 猫のために始めた防災が、家族みんなを守る
完璧な備えを最初から目指すと、なかなか始められません。でも、
- キャリーを出しっぱなしにする
- 猫砂を少し多めに買う
- フードを少し多めに買う
- 簡易トイレを備える
- ライトとモバイルバッテリーを持ち歩く
こんな小さな積み重ねでも、立派な防災になります。
そして、いつか気づくのです。猫のために始めた備えが、いつのまにか自分自身を、そして家族みんなを守る備えになっていることに。
大切な家族——もふもふも、人も。みんなで穏やかに「もしも」を越えられますように。今日からひとつ、できることから始めてみませんか。
停電への備えに|ポータブル電源という選択肢
在宅避難でとくに心細いのが、停電です。エアコンや扇風機が止まると、暑さや寒さに敏感な猫にとっては大きな負担になります。冷蔵庫の保冷や、スマホ・照明の電源をまかなえるポータブル電源をひとつ用意しておくと、いざというときの安心感がぐっと変わります。

