京都で出会う、変わらない味 ― 清水寺さんぽと想夫恋の焼きそば

清水寺と京都の眺め アイキャッチ 観光

京都へ出かけるとき、目的地は名所だけとは限りません。会いに行きたい味がある。今回の京都歩きには、そんな小さな楽しみが二つ重なっていました。ひとつは、何度訪れても飽きない古都の風景。そしてもうひとつは、ずっと前から心に決めている、大好きな一皿です。

祇園 京阪バスの停留所

旅のはじまりは祇園から。「京阪バス 祇園」と書かれた丸い標識が、ことりと町の入り口を教えてくれます。きらびやかな観光地の表情よりも先に、こうした何気ない標識やバスを待つひとときに、その土地のやさしい空気が宿っているように感じます。見上げれば、いつもの京都の空がやわらかく広がっていました。

朱色に迎えられて ― 八坂神社

八坂神社 西楼門

祇園の通りを進むと、鮮やかな朱色の門が見えてきます。八坂神社の西楼門です。みずみずしい緑を背に、石段の上で堂々と構える姿は、何度見てもうっとりしてしまいます。行き交う人の歩みも、この門の前ではどこか少しゆるやかになるようでした。

四条通の突き当たりにあって、京都の町と神域とをそっと分けてくれる、一枚の門。くぐる前に一度立ち止まって、その色合いと屋根のやさしい反りをながめる時間が、旅の気持ちをふんわりと整えてくれます。

修学旅行生でにぎわう清水寺

清水寺 舞台からの新緑の眺め

坂道をのぼった先に、清水寺があります。世界遺産にも登録された、京都を代表するお寺ですね。

この日の境内は、修学旅行生でにぎわっていました。おそろいの制服で、地図を片手に、写真を撮り合っては笑い声をあげる。その元気いっぱいの様子は、見ているだけで思わず頬がゆるみます。そして同時に、ほんの少しうらやましくもなってしまいました。何もかもが新鮮で、一日がとても長く感じられたあの頃。その時間のまんなかにいる彼らが、まぶしく映ります。

清水寺 本堂と京都市街の眺望

有名な「清水の舞台」に立つと、眼下には深い緑が広がって、その向こうに京都の町並みがやさしく霞んでいきます。釘を使わずに組み上げられたという木造の本堂は、国宝。崖からせり出した舞台の上は、季節の移ろいをひとり占めできる特等席です。新緑の頃は、見渡すかぎりの瑞々しい緑が、心をそっと洗ってくれました。

人の波に身をまかせながらゆっくり歩くうちに、おなかがすいてきました。ここからが、もうひとつの目的です。

大好物に会いに ― 想夫恋の焼きそば

想夫恋の焼きそば 生たまごのせ

京都の店舗で味わえる、想夫恋の焼きそば。実はこれが、長年の大好物なんです。

想夫恋は「元祖 日田焼きそば」を掲げるお店。鉄板でしっかりと焼き付けた麺が、なんといっても自慢です。表面はパリッと香ばしく、噛むほどに香りがふわりと立ちのぼります。ソースは濃すぎず、ちょうどいいバランス。だから最後まで重たくならずに、ぺろりといただけてしまうのです。

選んだのは「想夫恋焼き」に、生たまごのトッピング。まんなかにのった黄身をそっと崩して、パリッとした麺にからめると、香ばしさにまろやかさが加わって、味わいがひと回り深くなります。この生卵のひと手間が、やっぱりたまりません。さわやかなしそをそえる食べ方も、なかなか素敵でした。

九州へ出張するときには、博多駅の近くにある店舗へ必ず立ち寄るのが、いつしか習わしになりました。関西の暮らしのなかで、いちばん近い想夫恋は、この京都の店舗。だからこそ京都を訪れるたびに、この一皿がささやかな目的地のひとつになっているのです。

※メニュー(訪問時点)…トッピングの生たまごは100円。

変わらないものに、会える場所

名所の風景も、慣れ親しんだ味も、京都にはずっと変わらずに在り続けてくれるものがあります。朱色の門、崖の上の舞台、そして鉄板の上で焼かれる、香ばしい一皿。

新しい出会いを探す旅もすてきだけれど、「また会いに行く」ための旅も、同じくらい心が満たされます。次に京都を訪れるときもきっと、この味を目指して、坂道をのぼっているのだろうなと思うのです。

【PR】京都での滞在も考えている方は、じゃらんnetで京都・清水寺周辺のホテルを探すか、agodaで京都のホテルをお得に予約するのもおすすめです。ゆっくり京都の街を楽しみたい方は、宿泊してみるのもおすすめです。

タイトルとURLをコピーしました